金曜日の彼女【完】
図書委員の仕事は本の貸し借りやカードの整理、本の整理、と意外と忙しい。

でも当番は一週間に一回、3人一組ですればいいだけだし、本やカードの整理もその時にすればいいとのこと。

…よかった。わりと楽そうで…。

「じゃあ、曜日決めますね」

さっきのメガネをかけた先輩が仕切り始めた。

「あ…俺、金曜しか空いてないんで、そこに入れてもらってもいいですか?」

そう言って手を挙げている龍太。

わ、私も金曜にしたい!

手を挙げようとしたとき

「あー…じゃあ、俺も金曜でいいすか?」

先に手を挙げたのは竹内君の友達だった。

ヤ、ヤバい!あと1人分しか残ってないじゃん!

私は慌てて手を挙げようとした。
その途端、勢いあまって椅子を倒してしまい、一瞬でみんなの注目を浴びてしまった。

「あ……えっと…戸田…さんだったかな?…大丈夫?」

チラッと竹内君の方を見ると…笑いを堪えている様子が目に入った。

は、恥ずかしい…穴があったら入りたいよ…。

「…だ、大丈夫…です。すみません…」

椅子を起こして俯き加減で座り直した。
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