金曜日の彼女【完】
「そろそろ場所移動しようかって」
外で話していた私と純菜に航平が声をかけてきた。
「あー、そうなんだ。で、次どこ?」
「カラオケ」
なんとなくお決まりなコース。
「わかった。有紗に一応メール入れておくね」
有紗は結局来なかった。こういう会は苦手らしい。というか、むしろ嫌がってると言った方が正しいかな。
『なにが嬉しくて昔の仲間に会わなくちゃいけないのよ』
過去を振り返るみたいでイヤだと言ってた。
有紗らしい意見だ。
だからホントは1日ぐらい休めるはずのバイトを優先した。
「メールしても有紗はどうせ来ないんじゃない?」
純菜も有紗の性格をわかっている。
「まあね…だけど一応…ね」
そして喫茶店をあとにした私達は、駅前のカラオケに向かった。
後方を一人で歩いてみんなについていっていると、いつの間にか航平が隣に来ていた。
「なあ、琴葉…さっきの話…」
さっき…?
「ホントに…別れたのか?」
ああ…その話か…
「……ホント」
「そっか…」
そのまま押し黙ってしまった航平。
ふと、空を見上げる。
オレンジ色から藍色に変わろうとしている。
いつも龍太と帰るときはこんな空の日だった。
数えるほどしかなかったけれど…。
それでも私と同じように龍太がこの空をどこかで見ていてくれることを秘かに願った。
龍太の身に起きていることも知らずに―――…
外で話していた私と純菜に航平が声をかけてきた。
「あー、そうなんだ。で、次どこ?」
「カラオケ」
なんとなくお決まりなコース。
「わかった。有紗に一応メール入れておくね」
有紗は結局来なかった。こういう会は苦手らしい。というか、むしろ嫌がってると言った方が正しいかな。
『なにが嬉しくて昔の仲間に会わなくちゃいけないのよ』
過去を振り返るみたいでイヤだと言ってた。
有紗らしい意見だ。
だからホントは1日ぐらい休めるはずのバイトを優先した。
「メールしても有紗はどうせ来ないんじゃない?」
純菜も有紗の性格をわかっている。
「まあね…だけど一応…ね」
そして喫茶店をあとにした私達は、駅前のカラオケに向かった。
後方を一人で歩いてみんなについていっていると、いつの間にか航平が隣に来ていた。
「なあ、琴葉…さっきの話…」
さっき…?
「ホントに…別れたのか?」
ああ…その話か…
「……ホント」
「そっか…」
そのまま押し黙ってしまった航平。
ふと、空を見上げる。
オレンジ色から藍色に変わろうとしている。
いつも龍太と帰るときはこんな空の日だった。
数えるほどしかなかったけれど…。
それでも私と同じように龍太がこの空をどこかで見ていてくれることを秘かに願った。
龍太の身に起きていることも知らずに―――…