金曜日の彼女【完】
「ううん…片思い…かな」

「えー!!じゃあ宮内の方が絶対いいって!」

「そうよ。中学のときもお似合いだったじゃん」

「……昔のことだよ」



「アンタ達ー、琴葉が困ってるでしょー?」

見かねた様子の純菜が声をかけてきた。

「えー、だって純菜もそう思わない?琴葉と宮内――」

言いかけた彼女の言葉を遮ったのは

「琴葉と俺がなんだって?」

航平だった。

「あ、ああ…宮内、もう歌ったの?」

「…聞いてなかったのかよ」

ちょっとふてくされてみせた航平。

「ゴメンゴメン!!私もなんか歌おうっと」

「あ!私も~」

私はようやく彼女達から解放された。


「…ったく、あの子達は…。琴葉?気にしないのよ。悪気は全くないんだから」

純菜はそう言ってまた別の友達の輪に戻っていった。



そして、また私の隣に座る航平。

彼女達の言葉に、さっきまで心地いいと思った空間に、少しの緊張が走る。


「どういう意味?」

「へ?」


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