金曜日の彼女【完】

忘れたい想い

~♪♪♪~

≪琴葉の見たがってた映画のチケット取れたから来週の土曜日に行こうな 航平≫


≪ホントに!?行く~ありがと航平≫



―――…私と航平はクラス会の日からまた、付き合い始めた。

航平の気持ちを自然と受け止めてる自分がいた。



夏休みといっても航平は進学塾に行ってるのでなかなか会えない。

でも時間ができれば必ず会いに来てくれるし、毎日電話やメールは欠かさずくれた。

来週の土曜日はひさびさに塾もなく、前々からどこかにデートしようって2人で決めてた。



燃え上がるような激しい恋ではないけれど、穏やかにゆっくりと進む恋――…。


訪れた平穏な日々。

龍太を忘れたわけではないけれど、今は航平の気持ちを大事にしたい。

そう思っていた。

有紗には航平と付き合い始めたことをちゃんと報告した。

「琴葉がいいんなら私から言うことはなにもないよ。宮内はいいヤツだし、よかったんじゃないの?」

そう言ってくれた。



航平は高校生になってからもっと頼もしくなっていた。

前よりもさらに優しくなっているし。

新しい航平を知ることは新鮮だった。

これが恋だと――…思った。


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