金曜日の彼女【完】
何度も何度も角度を変え、さらに激しくなるキス。

息苦しさに思わず口を開けた。

「……ん…んぁ…」

素早く龍太の舌がするりと入り込み、私の舌を絡めとるように口内を動く。


触れるだけだった初めてのキスとの違い

激しく求められて、龍太の感情が入り込んできそうなキス。



頭の中が真っ白になってしまいそう――――…




「おい!……おい!」

―――…

「おい!龍太!」

「―――…チッ」

「…――え?」

ゆっくりと唇から離れて舌打ちをした龍太。


え?だ、誰?

気づいたら、私達の傍には男の人が立っていて

目を細めてジッと私達を見ている。

は、恥ずかしい!!見られてたなんて!!


「邪魔すんなよ、おっさん!!あっち行ってろ!」

「なにー!?誰がここまで連れてきてやったと思ってるんだ?ああ!?」


だけどそんなことを思ってる間に睨み合い、言い争いを始めてしまった2人。

サングラスをかけ、帽子を目深に被っていてその容姿はよくわからないけれど、見た感じでは30代前半から半ばぐらい。かなりのイケメンさんだと思う。

「あ…あのー」

いつまでも終わりそうにない2人におそるおそる声をかけてみた。


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