金曜日の彼女【完】
再会と別れ―2―
「じゃあ…琴葉」
龍太が作本さんの車に乗り込む。
助手席の窓を開け
「必ず連絡するから」
そう言い残して、車は暗闇の中を走り出す――…
家まで送ってもらうことになったその車中で
作本さんがプロのカメラマンだと知った。
あの名刺先は個人事務所だと。
だけど、それだけ。
それ以上はなにも教えてくれなかった。
「そのうちね」
そう言ってはぐらかされた。
私は龍太に純菜のこと、麗美さんのことを話した。
純菜のことはかなり驚いていて
「マジかよ!」
そう言いながら頭を抱えた。
ただ、麗美さんのことはわかってたみたいだった。
この名刺の持ち主が彼女だってことを
ただ、それを私に渡したことにはやっぱり驚いていたけれど…
――…気のせいかな…龍太の雰囲気が変わったような気がするのは。
柔らかい表情、優しく語りかけるその口調、そして…なによりもその瞳。
前のように冷めた瞳じゃない。
暖かい火が灯ったような、そんな柔い瞳。
それに―――…キス…しちゃったんだよね。
私、自惚れちゃうよ。
龍太はなにも言ってくれないけど…
もしも次に会えるのなら。
今度こそ、龍太の本当の気持ちが――知りたい。
龍太が作本さんの車に乗り込む。
助手席の窓を開け
「必ず連絡するから」
そう言い残して、車は暗闇の中を走り出す――…
家まで送ってもらうことになったその車中で
作本さんがプロのカメラマンだと知った。
あの名刺先は個人事務所だと。
だけど、それだけ。
それ以上はなにも教えてくれなかった。
「そのうちね」
そう言ってはぐらかされた。
私は龍太に純菜のこと、麗美さんのことを話した。
純菜のことはかなり驚いていて
「マジかよ!」
そう言いながら頭を抱えた。
ただ、麗美さんのことはわかってたみたいだった。
この名刺の持ち主が彼女だってことを
ただ、それを私に渡したことにはやっぱり驚いていたけれど…
――…気のせいかな…龍太の雰囲気が変わったような気がするのは。
柔らかい表情、優しく語りかけるその口調、そして…なによりもその瞳。
前のように冷めた瞳じゃない。
暖かい火が灯ったような、そんな柔い瞳。
それに―――…キス…しちゃったんだよね。
私、自惚れちゃうよ。
龍太はなにも言ってくれないけど…
もしも次に会えるのなら。
今度こそ、龍太の本当の気持ちが――知りたい。