金曜日の彼女【完】
―――…っていうか、よく考えたら…いくら龍太の知り合いだからって…男の人が一人でいる部屋に来たのって…ヤバくない?


どうしよう…今さら。

くるりと部屋を見回し、もしも(なんて起きてほしくはないけど)のときの逃げ場所を真剣に探した。



「―――…どうしたの?座ったら?」

「――…!?」

だけど、気がついたらもう作本さんが傍に立っていた。


どうぞ、と促されて仕方なくソファーに腰を下ろす。

「なにか、飲む?」

向かい側のソファーに座った作本さんがテーブルに置かれているメニュー表を差し出す。

「いえ。なにもいらないです」

「そう?―――…あ、煙草、吸っても構わないかな?」

「別に構いませんけど…」

「ありがと」

フッと笑ってポケットから煙草を一本取り出すと、火を点けてフーッと一つ煙を吐き出す。


長い足を組み換えながら、髪を掻き上げる。

その仕草ひとつひとつがものすごくかっこよく見える人だ。

―――…この人と龍太の関係って…一体、なんなんだろう。



すると、そんな私の心を読み取ったかのように、ニッコリと微笑むと

一枚の写真を取り出して、テーブルに置いた。


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