金曜日の彼女【完】
「あれっ?まだ1人?」

来たのはもう1人の当番の人だった。

……残念。

「はぁ……まだ誰も来てません」

「龍太も来てない?」

…どう見ても私1人でしょ。

「そっか、アイツ忘れてるのかな…」

そう言いながらポケットから携帯を取り出すとどこかに電話をかけ始めた。


「――…もしもーし、龍太?」

え!?竹内君への電話だったの?

う、うらやましい……私も知りたい!彼のケー番、ついでにメルアドも。

「今日、図書委員の当番日って覚えてる?――…おぅ、早く来いよー」

思わず目の前の携帯を凝視してしまっていた。

その視線に気づいた彼が

「…なに?俺のケータイになんかついてる?」

そして携帯を確認している。

「あ…いえ、そういうわけじゃ…」

慌てて視線をお弁当に戻し、また食べ始めた。

すると彼は私の隣に座って

「ねえ、君…名前は?」

と聞いてきた。


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