金曜日の彼女【完】

悪魔の正体

―仁side―


18年前―――

俺は写真の専門学校に通っていた。

もちろん、プロのカメラマンになるために。



そのために色んなカメラマンのアシスタントのバイトもしていた。


撮影場所もさまざまで

風景を撮るカメラマンもいれば

グラフィック専門のカメラマンもいる。


そんな中、ある雑誌の撮影に行ったときのこと。


それは中高生向けの雑誌の撮影らしかった。

モデルの子もほとんどが中学生か高校生。



その中で一際輝く1人の少女に

俺は―――…一瞬で心を奪われた。

いわゆる、一目惚れ。


何人ものモデルの中にいるにもかかわらず、彼女は光り輝く特殊なオーラみたいなものを持っていた。

当時、撮影していたカメラマンでさえ、彼女を中心に撮っていたぐらいだから。



その分、彼女はプライドが高く、向上心も旺盛で、おまけに上昇志向。

なかなか周囲のモデル仲間とはそりが合わないようにも見えた。


けれども彼女はそんなことはまるでお構い無し、という感じで、自分の意見はズケズケと言うし、もちろんカメラマンにも注文をつける。

ただ、彼女の意見でうまくいくんだから、それは彼女の才能に他ならない。


周りが一目置くのもわかる気がしていた。


それでも彼女はまだ15歳の少女。

当然、それを気に入らない大人も出てくる。


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