金曜日の彼女【完】
そんな私達を見ながらも、作本さんがまた、口を開いた。


「――…聖香とお前と…3人で…暮らすつもりだったよ。もちろんな…」

「……」


「…妊娠がわかって…聖香の母親に2人で報告と挨拶を兼ねて家に行って…」


そこで一旦、溜め息を吐く作本さん。

「…母さんは…いいって言ったんだよな…」

「ああ…まあな」

母さん…?

「龍太…母さんって?…龍太のお母さんって…」

「俺の戸籍上の母親のこと。――――…俺の祖母さんでもあるけどな」

クッと口の端を上げて自嘲気味な笑み。

「お祖母さんが……お母さんなの?」

「ああ。ある意味スゲーだろ」

「―――…ごめん…ちょっと頭の中がごちゃごちゃする」

ポンポンと軽く私の頭を叩いてから

「当然だ」

そう言ってフッと笑った。


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