金曜日の彼女【完】
「琴葉、アンタの携帯また鳴ってるけど…最近よく鳴るよね。航平ってそんなにマメな男だったっけ?」


昼休み―――…。

有紗とお弁当を食べようとしたら…ちょうど龍太からのメール。



実は、有紗にはまだ航平と別れたことも、龍太とまた付き合ってることも…

――…言ってない。

なんとなく言うタイミングを逃してしまっている。


「んー…」

携帯の画面を見ながら曖昧な返事を返す。


―――…有紗は龍太にあんまり良い印象をもってない。

航平と付き合い始めたときも

「アンタには航平の方が合ってるかもね」

そうも言ってた。

そんなだからか、有紗にはなかなか言えないでいた。



沖本君には―――…実は図書委員で一緒になったときに、再会したことを話した。

龍太も沖本君にならって言ってたし…。


彼は顔がくしゃくしゃになるぐらい喜んでいた。


――…泣いてた。

「よかった…ホントによかったよ…」

それからまた連絡を取り合っているらしい。

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