金曜日の彼女【完】
「琴葉?――…アンタ、なにぼーっとしてんのよ。早く食べないと昼休み終わるよ」

「あー…そうだね」

開いていたメールを閉じてまたお弁当を食べ始める。


「んで?なんだって?」

「…ん?なにが?」

「だから、宮内からなんでしょ?今のメール。デートの約束?」

ニヤニヤしながら私を見る。

「あー…えっと…あのね」

「あら?違った?あ、もうすぐクリスマスだからその話とか?」

クリスマス――…

もうそんな季節か…。



今年は…龍太と過ごせるといいけどな…。


――――…って違う違う!今はそれどころじゃない!

有紗にはちゃんと言わなきゃ。

「有紗!あのね…?実は――…」


キーンコーン カーンコーン……――――


「あっ!ほらっ琴葉!昼休み終わっちゃう!早く教室に戻ろ」

有紗が急いで立ち上がる。

「…うん」

また…言いそびれちゃった。


私は深い溜め息を一つついて有紗のあとを急いで追った。


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