金曜日の彼女【完】

「さあ、だいたいできたわね。あとは――…」

ハァ…疲れた…。

ものすごい量の料理を作った母。

それをひたすら手伝わされた私。

「あ！ほらっ琴葉。早く着替えて準備しなさいよ」

「えー…？あー…うん」

もうなんだかクタクタなんですけど…。

「可愛くね！」

「……」

…なんなんだろうか…一体。

疲れた体を軽く回しながらリビングを出ようとしたところで瑛二兄が入ってきた。

「母さん、俺今日はデートだから夜はいらないよ」

「あらっそうなの？せっかく龍太君が来るのにね」

「龍太って…琴葉の彼氏？来るんだ」

ニヤニヤしながら私を見ている。

その料理はやっぱり…龍太も一緒にってことだよね…。

けど、なんで隠すのかな…。

とりあえず、着替えるために部屋に向かった。

今日のために一応用意した薄いピンクのワンピースに袖を通し、軽くお化粧をして、髪も巻いてみたり

「よし！出来上がり！」


あとは龍太が来るのを待つだけ。

久しぶりだな～会うの。

ドキドキしながら待っていると―――…。