金曜日の彼女【完】
「育ててくれた人…普通はばあさんだよな」

そう言って口の端をクッとあげた。

―――…そうなんだ…あの人が龍太を育てた人。

そして、SEIKAのお母さん…。


綺麗な人だった。

とてもうちの母と同世代には思えないくらい。



「――――…どうして私のこと…知ってるの?しかもなんか、小さい頃から知ってるみたいだった」

――…フッと龍太は笑うと

「とりあえず、今は――…行くぞ」

そう言って私の手を掴んでリビングに向かって歩きだした。


ドアを開けるとみんなもうそれぞれ席についている。

「龍太君、琴葉、2人とも早く座って。始めるわよ」

「あ、はい」

龍太はさっさと空いている席に座る。

――…しかもなんでか、和兄の隣に。

和兄もなんだか、嬉しそうだし。

――…さっきまで龍太って誰だー、なんて叫んでた人と同じとは思えないほどに。

「ほらっ、琴葉も早く!」

母に促されて座った私の隣には、龍太のお母さん(いや、お祖母さん?)


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