金曜日の彼女【完】

幼な友達

“ことはちゃん、僕ね、ことはちゃんのこと好き”

“うん!ことはも大好きだよ。ゆうたくんのこと”

小さな手と手を繋ぎ合わせる。

“ことはちゃん、僕の名前はりゅうただよ?”

“ふーん。ねえねえゆうたくん”

“ふう…しかたがないな~ことはちゃんは。まあいいか、ことはちゃん、可愛いから”

“えへ”


―――――…

ハッと気づいて龍太を見る。


“ゆうたくん”の面影と龍太を重ね合わせる。


スーッと消えてく頭の痛み。

「へ?…あれ?ゆうたくん…?」

「アハ、やーっと思い出した?」

龍太が笑いながら私の顔を覗き込んでくる。

周りもクスクス笑っている。


「しかも名前間違えてるし…」

「琴葉は昔から人の名前覚えるの苦手だったわよね~」



「本当に―――ゆうた…くん?」

「だから、ゆうたじゃなくてりゅうただよ」

ゆうたじゃなくて?

りゅうた?


私の――――…


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