金曜日の彼女【完】
昔――――…
お母さんに連れられてよく遊びに行っていた家があった。
そこには私と同い年の男の子がいた。
とっても可愛くて、女の子みたいな男の子。
だけど、その子はいつも和兄や瑛二兄と遊んでばかりで。
私はその子の名前さえ知らなかった。
私はいつもお母さんの傍で静かに絵を描いたり、本を読んでいるだけだった。
そんなある日。
めずらしく庭で遊んでいた私に男の子が声をかけてきた。
「なまえ、なんて言うの?」
「…ことはだよ」
「ことは?僕はりゅうた」
「ゆうた…くん?」
「ねえ、一緒に遊ぼう?」
「うん!」
正直言って、子供だった私にとって男の子の名前なんてそんなに重要じゃなかった。
ゆうただろうとりゅうただろうと、話しかけてくれて一緒に遊んでくれるだけで嬉しかった。
それからは行く度に一緒に遊ぶようになった。
今にして思えば。
兄貴達が大きくなってあんまり母についてこなくなって。
遊び相手が私に変わっただけなんだけど…。
お母さんに連れられてよく遊びに行っていた家があった。
そこには私と同い年の男の子がいた。
とっても可愛くて、女の子みたいな男の子。
だけど、その子はいつも和兄や瑛二兄と遊んでばかりで。
私はその子の名前さえ知らなかった。
私はいつもお母さんの傍で静かに絵を描いたり、本を読んでいるだけだった。
そんなある日。
めずらしく庭で遊んでいた私に男の子が声をかけてきた。
「なまえ、なんて言うの?」
「…ことはだよ」
「ことは?僕はりゅうた」
「ゆうた…くん?」
「ねえ、一緒に遊ぼう?」
「うん!」
正直言って、子供だった私にとって男の子の名前なんてそんなに重要じゃなかった。
ゆうただろうとりゅうただろうと、話しかけてくれて一緒に遊んでくれるだけで嬉しかった。
それからは行く度に一緒に遊ぶようになった。
今にして思えば。
兄貴達が大きくなってあんまり母についてこなくなって。
遊び相手が私に変わっただけなんだけど…。