金曜日の彼女【完】
だけど、男の子はいろんなところに連れていってくれた。

「僕のお気に入りの場所」

そう言って連れていってくれた場所は

ただの公園だったり、空き地だったり、ときにはジャングル並みに高い草が生えてる場所だったりしたけれど。


私にとったら新鮮で、大切な場所になっていった。


だけど、きっとそれは

男の子と一緒に行った場所だったからだと。


そう気づいたのは

男の子と会えなくなって

しばらく経ってから。


初恋――――――…


私の小さな胸に芽生えた小さな恋。



その相手が今、目の前にいる。

――――…あなたなの?


「うそ…ホントに?ホントに…あのときの男の子なの?」

「何回確かめてんだよ」

そう言って笑うけれども

「だって…、」

確かめずにはいられない。

お母さんの変なスピーチじゃないけど

今日の思わぬ再会を

―――…サンタに感謝したい。

本気でそんな気持ちになってしまう。

こんな不思議な縁に―――…。

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