金曜日の彼女【完】
祖父の願い
私の初恋の話で勝手に盛り上がる家族を尻目に
一旦、リビングを出た。
龍太は和兄に捕まって、なかなか離してもらえないようで
あれは明らかにかなり酔ってるな。可哀想に…。
龍太は当分、私のところには来れそうにない。
――――――…訊きたいことはたくさんあるんだけど。
龍太は一体、いつから私があのときの女の子だって気づいていたんだろう…。
気づいてて…私と付き合ったんだろうか。
もしそうなら…どうして一度、私を突き放したりしたのか…。
少し頭をすっきりさせたくて、雪がしんしんと降り続ける外に出た。
頭の中がごちゃごちゃで混乱していた。
「琴葉ちゃん?」
不意に名前を呼ばれて振り向く。
「あ…えっと」
「クスクス…そんなに困った顔しなくても…」
「ご、ごめんなさい」
「…昔は…えり子おばちゃんって呼んでくれてたのよ?」
優しくふわりと微笑む、柔らかい表情――…。
そんなところはSEIKAにももちろん、龍太にもない。
あの2人の激しさ、みたいなところは…竹内 惣一郎に似たのかな…。
「中に入って…少し話さない?」
彼女は私の肩をそっと抱いて、中へと促した。
一旦、リビングを出た。
龍太は和兄に捕まって、なかなか離してもらえないようで
あれは明らかにかなり酔ってるな。可哀想に…。
龍太は当分、私のところには来れそうにない。
――――――…訊きたいことはたくさんあるんだけど。
龍太は一体、いつから私があのときの女の子だって気づいていたんだろう…。
気づいてて…私と付き合ったんだろうか。
もしそうなら…どうして一度、私を突き放したりしたのか…。
少し頭をすっきりさせたくて、雪がしんしんと降り続ける外に出た。
頭の中がごちゃごちゃで混乱していた。
「琴葉ちゃん?」
不意に名前を呼ばれて振り向く。
「あ…えっと」
「クスクス…そんなに困った顔しなくても…」
「ご、ごめんなさい」
「…昔は…えり子おばちゃんって呼んでくれてたのよ?」
優しくふわりと微笑む、柔らかい表情――…。
そんなところはSEIKAにももちろん、龍太にもない。
あの2人の激しさ、みたいなところは…竹内 惣一郎に似たのかな…。
「中に入って…少し話さない?」
彼女は私の肩をそっと抱いて、中へと促した。