金曜日の彼女【完】
「…話があるんだ。座ってもらってもいい?」

「え…話…ですか?」

躊躇する私とは反対に龍太はさっさとこたつに入り込む。

だけど、やっぱり無表情のままだし、なにも話さない。

そんな重苦しい空気に

不安からか、息苦しくて、胸がキシキシと痛む 。


そんな状況で、最初に口を開いたのは…意外にも龍太だった。


「琴葉――…約束したよな」

「え?」

「全部片付くまでは会えないって」

「…うん」

親子の問題――…いろんな複雑な事情がある龍太。

それが片づくまでは会えないって

確かに言っていた。

だけど、今日会いに来てくれた。


「もう…解決したの?」

「…いや、まだだよ」

「そう…―――」

ちょうど、母がコーヒーを運んできた。

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