金曜日の彼女【完】
作本さんに促されて、龍太がゆっくりと口を開く。
その龍太のキリッとした唇を私はただ見つめている。
「高校は…行くよ」
「え?そう…なの?」
じゃあ、いったいなんなの?この不安な気持ちは…。
「うん。高校だけは…卒業したいからさ」
「そう。よかった…。あ、もしかしてここから遠いの?」
作本さんの、龍太のお母さんの、龍太のその表情が一気に陰る。
――…不安は口にしたくない。
だけど――…
“見つけて”
それがどんな意味をもつか、なんて…。
「俺――――……」
そんなの…認めたくない。
私は――――…。
―――――…
――――
「琴葉!!」
背中で龍太の呼ぶ声が聞こえる。
私は一度も振り向かず
階段をかけ上がると、部屋に飛び込み
ドアの鍵を―――かけた…。
その龍太のキリッとした唇を私はただ見つめている。
「高校は…行くよ」
「え?そう…なの?」
じゃあ、いったいなんなの?この不安な気持ちは…。
「うん。高校だけは…卒業したいからさ」
「そう。よかった…。あ、もしかしてここから遠いの?」
作本さんの、龍太のお母さんの、龍太のその表情が一気に陰る。
――…不安は口にしたくない。
だけど――…
“見つけて”
それがどんな意味をもつか、なんて…。
「俺――――……」
そんなの…認めたくない。
私は――――…。
―――――…
――――
「琴葉!!」
背中で龍太の呼ぶ声が聞こえる。
私は一度も振り向かず
階段をかけ上がると、部屋に飛び込み
ドアの鍵を―――かけた…。