金曜日の彼女【完】
月曜日―――…

あの頃と変わらず使う電車。

同じ時間。


改札口を出たところで


「ユカ」

突然名前を呼ばれて――

「!?」

龍太の姿を確認した途端、その場から動けなくなってしまった。


「相変わらず、この時間なんだな」

フッと笑うその表情は、あの頃より柔らかい気がする。


「ちょっと…話せる?」

近くのカフェを指差す。

コクと頷くと、先に歩き出したその背中を一生懸命追いかけた。



――――――


「…元気…だった?」

注文したカフェラテに視線を置いたままだった私は、その言葉に思わず

「え?」

顔を上げて、龍太を凝視してしまった。


龍太の中のなにかが

なにかが変わった。


たった半年。もう半年。


その間にいったいなにがあったというの?


「ユカ…ごめんな」


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