金曜日の彼女【完】
「…変わったね、龍太。前のあなたならわざわざそんなこと言いになんて来なかったでしょ?」

「…そうだろうな」

目を伏せる龍太を見つめながら

私は少し温くなったカフェラテを一気に飲み干す。


「わかった…さよならだね、龍太」

そう言って席を立つ。


「ユカ…ありがとな」

出口に向かって歩き始めた私の背中越しに

龍太の呟きが聞こえた。



ううん―――…

私こそ

あなたを

好きになってよかった。



今ならそう思えるよ

龍太。




さあ…ユカ

また新しい恋をしよう。

――――――



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