金曜日の彼女【完】
だけど――――――


「竹内…?―――…ああ…辞めたよ」

「え?…い、いつですか?」

「えー?いつだった?」


校門の前で龍太先輩と一緒にいたことがある友達らしき人を数人見つけて、思いきって声をかけた。

「5月の終わり…ぐらいじゃなかったっけ」

「――…ああ、そうだな」


「…そんな…」

先輩は高校を退学していて、誰に聞いてもどこに行ったのかわからなかった。



「あれっ?…君…もしかして…」

途方に暮れていた私に声をかけてきたのは…。


「確か…龍太の―――」

先輩と一緒にいるところを一番よく見かけた人―――確か、慎と呼ばれていた。


この人ならもしかして…

淡い期待を抱いて彼に近づいた。


「あの!!―――龍太先輩が今、どこにいるか知ってますか?」

「あー……ゴメン…。俺達も捜してるんだけど…どこに行ったのか…今どこにいるのか、仲間内でも…誰も知らないんだ―――」

そう言って目を伏せた。



先輩―――…いったい、どこに?

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