金曜日の彼女【完】
「ほらっ!もう泣くな」
顔を覗き込み、袖口で私の涙を拭く。
「…泣き止んだら…そしたらもう俺のことはキッパリ忘れろよ」
「え?」
「美央…お前のこと、可愛いって思ってたよ…いつだってな」
そう言って優しく微笑みながら頭を撫でてくれる。
あの頃となにも変わらないその仕草――…。
「だけど……妹みたいにしか…感じたことはなかった」
「……」
やっぱり――――
わかっていた。先輩の気持ちは
最初から知っていた。
妹以上の存在にはなれないって。
「ごめんな」
「――…ううん。私ね、火曜日だけの彼女だったけど…すごく大事にしてもらったって…思ってるよ?」
ゴシゴシと涙を拭くと
今までで一番最高の笑顔を見せて。
「彼氏、置いてきちゃったからもう戻るね」
先輩に背を向けて、もと来た道を歩き出した。
もう泣かない。
――――――――
「ごめんね?待たせちゃって…行こ?」
なにも言わず、待っていてくれた彼の手をそっと握る。
さよなら
先輩…。
顔を覗き込み、袖口で私の涙を拭く。
「…泣き止んだら…そしたらもう俺のことはキッパリ忘れろよ」
「え?」
「美央…お前のこと、可愛いって思ってたよ…いつだってな」
そう言って優しく微笑みながら頭を撫でてくれる。
あの頃となにも変わらないその仕草――…。
「だけど……妹みたいにしか…感じたことはなかった」
「……」
やっぱり――――
わかっていた。先輩の気持ちは
最初から知っていた。
妹以上の存在にはなれないって。
「ごめんな」
「――…ううん。私ね、火曜日だけの彼女だったけど…すごく大事にしてもらったって…思ってるよ?」
ゴシゴシと涙を拭くと
今までで一番最高の笑顔を見せて。
「彼氏、置いてきちゃったからもう戻るね」
先輩に背を向けて、もと来た道を歩き出した。
もう泣かない。
――――――――
「ごめんね?待たせちゃって…行こ?」
なにも言わず、待っていてくれた彼の手をそっと握る。
さよなら
先輩…。