金曜日の彼女【完】
「ハハ…悪ぃ…。でも俺も前に進みたいからさ…」

もうとっくに進んでるじゃない。

「お前とも…ちゃんとけじめをつけたかった」

「…別に必要ないのに」


わかってたことだから。

あの子を初めて見た瞬間から

いつかはこうなること。

わかっていたから。

龍太はきっと変わってしまう。

あのときの2人を見たときから、感じていた。



「絶対にいい女優になれよ?…あんな女なんか蹴落とすぐらいの」

ああ…もう本当にこれで最後。


「龍太も…」

木曜日だけの関係は終わる。


「夢…叶えなよ?」

アンタの夢がなにかは知らない。


だけど…きっと私達はまた会うことになる。

そんな予感がする。


今度はお互いの夢を叶えたときに

恋人としてではなく……。



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