金曜日の彼女【完】
第16章
わがまま
思いがけず、ホワイトクリスマスになった日。
私達は
ようやくひとつになった。
「琴葉…これ」
そのあとに、手渡されたもの。
赤と緑のリボンが綺麗に施された小さな白い箱。
「…開けても…いい?」
「ああ」
箱の中に入っていたのは――…
「…これ」
「……しるし」
「え?」
赤いルビーの小さなハートがトップにある指輪。
それと同じ、赤いルビーのピアス。
「…しるし?」
「うん……。N.Yから帰ってきたとき、俺も琴葉をすぐに見つけられるように」
N.Y――――…
行ってしまう。
どんなに止めても
もう決めたこと。
だから…
私は龍太を忘れないように。
龍太からのしるしをもらった。
「…ありがと…絶対に見つけてよ?」
龍太が頷きながらその指輪を私の左手薬指にはめる。
それを朝日に翳す。
「…見つけるよ、必ず」
龍太の瞳が強く、赤く光る。
不安はある。
何年向こうにいるかもわからない。
もしかしたら
帰ってこないかもしれない。
私達は
ようやくひとつになった。
「琴葉…これ」
そのあとに、手渡されたもの。
赤と緑のリボンが綺麗に施された小さな白い箱。
「…開けても…いい?」
「ああ」
箱の中に入っていたのは――…
「…これ」
「……しるし」
「え?」
赤いルビーの小さなハートがトップにある指輪。
それと同じ、赤いルビーのピアス。
「…しるし?」
「うん……。N.Yから帰ってきたとき、俺も琴葉をすぐに見つけられるように」
N.Y――――…
行ってしまう。
どんなに止めても
もう決めたこと。
だから…
私は龍太を忘れないように。
龍太からのしるしをもらった。
「…ありがと…絶対に見つけてよ?」
龍太が頷きながらその指輪を私の左手薬指にはめる。
それを朝日に翳す。
「…見つけるよ、必ず」
龍太の瞳が強く、赤く光る。
不安はある。
何年向こうにいるかもわからない。
もしかしたら
帰ってこないかもしれない。