金曜日の彼女【完】
もしかしたら

お互いに他に

もっと大切な人ができるかもしれない。


それぐらい不確かな私達の約束。



龍太は自分に自信がつくまでは帰らない。

そう言った。

里心がつくから連絡も一切しない――…と。


そう言われたとき

どうしても納得ができなかった。


今だって

本当は完全に理解しているわけじゃない。

不安の方が大きい。


だけど、そんなところがいかにも龍太らしい。

そう思うことで、自分を支えていた気がする。



クリスマス以降、私達はまた会えない日々が続いていた。


もうすぐアメリカに行ってしまうというのに…。


私の不満は少しずつ溜まっていき

焦りと不安が胸の中に重くのしかかっていく。

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