金曜日の彼女【完】

「なんで…会えないのよ」

電話をする度に私は不満ばかりを口にするようになっていた。


龍太が今、家族の問題や留学のことで大変なのは十分すぎるほどわかっていたけれど――――…。



「会いたいの！もう待てないよ」

そればかりが口から出る。

『ごめん…もう少しだから…』

「もう少しって言ってもう２月だよ？４月になったらもう本当に会えなくなっちゃうんだよ！」

『……』


いつもここで会話は終わり、電話を切る。


そしていつも後悔と虚しさが襲う。



困らせてる。

わがまま言ってる。

わかっていても止められない。

気がついたら

口が勝手に動いている。



このままじゃ本当に会えないまま

離ればなれになっちゃうよ…。