金曜日の彼女【完】
そんなことを考えながら有紗を見ていたら


なんだか急にクラスが騒がしくなった。

「―――…ね!!…じゃない?」

「えー!?マジで?ホントだ!!キャー」


「……なに?」

「なんだろ」

窓の外を見て騒いでいる女の子達。

有紗と窓側に移動してみる。

「やーん。相変わらずかっこいい~。久しぶりだよね」



「ちょっ…あれ!!」

「……うそ…」

「琴葉!!」

有紗がニヤニヤしながら私の背中をバシバシと叩く。



―――…


校門の前で、たくさんの女の子に囲まれて


困惑の表情を見せながら

だけど、その視線はこの教室に

向けられている。



ガラッ――…

教室のドアを勢いよく開けて入ってきたのは

「琴葉ちゃん!!外を見た?」

沖本君だった。

「…うん」

「…よかったね、琴葉ちゃん」

「…うん」

「ほらっ!早く行っておいで」

有紗に背中を押される。


気がついたら、走り出していた。


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