金曜日の彼女【完】
今日だけ特別、ということで久しぶりに一緒に委員の仕事をして。
その間もなにを見ても
「懐かしい」を繰り返す龍太。
ここにはもう龍太の居場所はないんだということを改めて思い知らされる。
無事に仕事も終えて、一緒に駅へ向かう途中。
「琴葉、今から付き合ってほしいところがあるんだけど」
龍太がそう切り出してきた。
「今から?どこ?」
「ん、ちょっと遅くなるかもしれないから今日は母さんのところに泊まったらいい」
「えり子さんのところに?」
「ああ」
クリスマス以来、母と一緒に何度かえり子さんの家に遊びに行っている私。
今、住んでいる場所はうちからだと電車で1時間ぐらいかかってしまう。
「一応、母さんには先に知らせてある。準備して待ってるって」
「…そっか。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな。今日はどうせ家には誰もいないし」
「は?なんで?」
「お母さんは名古屋のお父さんのところ。和兄も瑛二兄もデートなんだって」
「へー…そうか」
私の父は名古屋に単身赴任中。今日はバレンタインだからと、母は朝からそわそわしながら手作りチョコを持って出かけていった。
当然、父のマンションにお泊まり。
娘ほったらかしで、甘いバレンタインの夜を過ごすんだとか…。
まったく…思わず何歳だよって突っ込みたくなったし…。
その間もなにを見ても
「懐かしい」を繰り返す龍太。
ここにはもう龍太の居場所はないんだということを改めて思い知らされる。
無事に仕事も終えて、一緒に駅へ向かう途中。
「琴葉、今から付き合ってほしいところがあるんだけど」
龍太がそう切り出してきた。
「今から?どこ?」
「ん、ちょっと遅くなるかもしれないから今日は母さんのところに泊まったらいい」
「えり子さんのところに?」
「ああ」
クリスマス以来、母と一緒に何度かえり子さんの家に遊びに行っている私。
今、住んでいる場所はうちからだと電車で1時間ぐらいかかってしまう。
「一応、母さんには先に知らせてある。準備して待ってるって」
「…そっか。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな。今日はどうせ家には誰もいないし」
「は?なんで?」
「お母さんは名古屋のお父さんのところ。和兄も瑛二兄もデートなんだって」
「へー…そうか」
私の父は名古屋に単身赴任中。今日はバレンタインだからと、母は朝からそわそわしながら手作りチョコを持って出かけていった。
当然、父のマンションにお泊まり。
娘ほったらかしで、甘いバレンタインの夜を過ごすんだとか…。
まったく…思わず何歳だよって突っ込みたくなったし…。