金曜日の彼女【完】
第17章

もう一度

「ごめん…」

視界が滲み、そこからは溢れんばかりの滴。


約束…したのに。


龍太との約束。

守れてないよ。

守ってなかった。


龍太は…ちゃんと覚えていたんだね。

その幼い小さな胸に

刻み込んでいたんだね。


ごめんね、ごめん。





「…琴葉」

溢れ続けるその滴を指で何度も拭いながら

そっと抱き寄せられる。



「……所詮は…幼い頃の子供の約束だよ」

優しく頭を撫でる。


「琴葉も……俺も…いっぱい遠回りしたんだ」


「…でも…龍太は…ちゃんと守ってた…―――なのに」



「琴葉だって…」


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