金曜日の彼女【完】
―――――――――…
――――…
「あー…かったるーい」
ふぁ~と大きな欠伸をしながら腕を伸ばす有紗。
「有紗ったら…もう少し真面目にできないの?」
「だってねー、アンタ。卒業式の練習のためだけに学校来るなんて、ダルいだけでしょ」
私達は明日高校を卒業する。
有紗と私は学部は違うけれど、付属の大学へ進学する。
沖本君は近くの別の大学へと進むことが決まっている。
高校という狭い世界で生きてきた私達もそれぞれの道を進む。
――――…龍太は最初の言葉通り。
私には一切連絡をしてこない。
連絡を取り合っているらしい沖本君や、時々家に遊びに行っているえり子さんが
それとなく近況を教えてくれる。
元気に頑張っていると知ると
ホッと安心する。
会えない。
声さえも聞けない。
だから
心にいつも語りかける。
龍太。
明日――――私達、卒業するんだよ。
できれば一緒に…卒業したかったな。
何度も語りかける―――――――。
あなたに届くように…。
―――――――――…
――――――…
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「あー…かったるーい」
ふぁ~と大きな欠伸をしながら腕を伸ばす有紗。
「有紗ったら…もう少し真面目にできないの?」
「だってねー、アンタ。卒業式の練習のためだけに学校来るなんて、ダルいだけでしょ」
私達は明日高校を卒業する。
有紗と私は学部は違うけれど、付属の大学へ進学する。
沖本君は近くの別の大学へと進むことが決まっている。
高校という狭い世界で生きてきた私達もそれぞれの道を進む。
――――…龍太は最初の言葉通り。
私には一切連絡をしてこない。
連絡を取り合っているらしい沖本君や、時々家に遊びに行っているえり子さんが
それとなく近況を教えてくれる。
元気に頑張っていると知ると
ホッと安心する。
会えない。
声さえも聞けない。
だから
心にいつも語りかける。
龍太。
明日――――私達、卒業するんだよ。
できれば一緒に…卒業したかったな。
何度も語りかける―――――――。
あなたに届くように…。
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