金曜日の彼女【完】
“琴葉―――ごめん”

なに?

“ごめんな”

なにが?

“約束―――やっぱり忘れてくれ――俺は……―――”



龍太!待って!


――――――――…

「……待っ…て」

カーテンから射し込む眩しい光。

頬を伝うのは小さな滴。


―――…最近よく見る夢。

悲しそうな表情で何度も謝る龍太。

約束を忘れてくれという龍太。


龍太の顔はだんだん不鮮明になっていくのに

声だけは妙にリアルで―――。

それが余計に悲しくさせる。



3年―――…

もう3年待ったよ。


まだ待たなくちゃダメなの?


夢を見つけて、それを追い求める龍太が

羨ましい―――。

その夢に…嫉妬してしまう。


私よりも夢が大事になっていきそうで…。

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