金曜日の彼女【完】
有紗に引きずられるように連れられて来た場所は
今は誰もいない屋上。
「ここならゆっくり話せるよね」
―――有紗。
「…昼休みに…だいたいのことは慎から聞き出した」
あー…沖本君は知ってるんだ。彼に他にも彼女がいること、とか。
「…有紗の言いたいことはわかってる」
「だったら――」
「でも!それでも好きなの!……好きなんだよ…彼のこと」
そんな言葉以外出てこない。
「泣くのは琴葉だよ?」
一言そう言って有紗はフェンス近くに座った。
私も黙って隣に腰を下ろす。
「琴葉…アイツは…竹内はアンタのこと、本気で好きになることなんて…ないかもよ?」
有紗の一言一言が胸をえぐるよう。
わかってる…わかってるんだよ、有紗。それでも…それでもね?
「……好きだから…諦められない」
「琴葉…」
有紗はそれ以上なにも言わなかった。
だけど最後に
「私は琴葉の味方!いつでも相談にのるし、アイツを殴りたくなったらいつでも言って」
笑顔で私の頭を優しく撫でてくれた。
「ありがと…」
私は親友の胸で泣いた――。
今は誰もいない屋上。
「ここならゆっくり話せるよね」
―――有紗。
「…昼休みに…だいたいのことは慎から聞き出した」
あー…沖本君は知ってるんだ。彼に他にも彼女がいること、とか。
「…有紗の言いたいことはわかってる」
「だったら――」
「でも!それでも好きなの!……好きなんだよ…彼のこと」
そんな言葉以外出てこない。
「泣くのは琴葉だよ?」
一言そう言って有紗はフェンス近くに座った。
私も黙って隣に腰を下ろす。
「琴葉…アイツは…竹内はアンタのこと、本気で好きになることなんて…ないかもよ?」
有紗の一言一言が胸をえぐるよう。
わかってる…わかってるんだよ、有紗。それでも…それでもね?
「……好きだから…諦められない」
「琴葉…」
有紗はそれ以上なにも言わなかった。
だけど最後に
「私は琴葉の味方!いつでも相談にのるし、アイツを殴りたくなったらいつでも言って」
笑顔で私の頭を優しく撫でてくれた。
「ありがと…」
私は親友の胸で泣いた――。