金曜日の彼女【完】

火曜日の彼女

「龍太せんぱーい」

駅で待っている龍太先輩に手を振る。


先輩はチラッと私を確認すると、見ていた携帯を閉じた。

…もう!他の女にでもメール送ってたのかな。

心の中ではそう思いながら、決してそれを顔には出さない。

そしてとびっきりの笑顔で先輩に抱きつく。

龍太先輩はそんな私を優しく受け止めてくれる。


私の楽しみな時間。




そう―――――


私は龍太先輩の…火曜日の彼女。

名前は美央。

龍太先輩より一つ下の高校一年生。

学校が違うのが残念だけど…。

ホントは龍太先輩と同じ高校に行きたかったけど、龍太先輩の高校は偏差値が高いからおバカな私には無理だった。



龍太先輩を初めて見たのは中学の時のオープンスクールで。

合格なんて程遠かったけど、母親に無理やり連れて行かれた先輩のいる高校。

そこで私達の案内係をしてくれたのが龍太先輩だった。


私の一目惚れ。

高校の前で待つのはなんだか怖かったので、龍太先輩が利用しているらしい駅(必死で調べた)で待ち伏せした。


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