金曜日の彼女【完】
そして知ったこと。

龍太先輩には彼女らしき人がいるらしいこと。

それも、一人や二人じゃない。

それが毎日、曜日ごとに違うこと。

月曜日の人はどうみても龍太先輩より年上。大学生かOLか、という感じ。

火曜日の人はなんだかギャルっぽい子。多分…高校生だと思う。

水曜日の人は真面目そうな感じだけど、他の男と歩いているのを偶然見たことがあった。二股でもしてるのかな…。

木曜日の人はどの彼女よりも綺麗でしかも巨乳。なにかの雑誌で見たことあるからモデルでもしているのだろう。

そして最後の金曜日の人。ストレートの髪がとても綺麗ですらりとしたスタイル。服のセンスも抜群で龍太先輩とすごくお似合いな感じ。

私はしばらく声をかけることができなくて、ただ見ているだけの日々が続いた。


そうしているうちに、火曜日の彼女を見かけなくなって

火曜日は友達と帰るようになっていた。

チャンスだと思った

火曜日を待って思い切って声をかけることにした。


「あ、あの…竹内先輩!」

「――…あ?」

龍太先輩は“なんだ?この女”とでも言いたげな顔で私を見ていた。

「私、この間のオープンスクールで、先輩に案内してもらったんですけど…覚えてますか?」

先輩は考えている様子だったけれど、しばらくして

「…あー…あのときの…えっと…ミサちゃんだったっけ?」

「……美央です…」

名前さえ覚えてもらってないことは少々ショックだったけど、負けない!!


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