金曜日の彼女【完】
「龍太!同じ学校の子と付き合い始めたってホントなの?」

「――…麗美…誰に聞いた?…詮索する気?束縛するなって言ったこと…忘れた?」

龍太は冷たく言い放つ。


「だって、龍太は―…」

「うるさい!…別れたいの?麗美」

…これ以上は聞けない。

黙るしかなかった。

…だけど―――

龍太は同じ学校の子とは決して付き合わないと決めている。

龍太は学校では人望もあり、爽やかな好青年を見事に演じきっている。」

だけど、一歩学校を出るともう1人の残酷で残忍な龍太が顔を出す。

そんな龍太を知っているのは数少ない。

今までどんなに告られても同じ学校の子とは付き合わなかった。

なのに――…



今日、龍太と同じクラスで私の中学のときの友達で、私と龍太が付き合ってることを知っている冴子が教えてくれた。

“龍太君、戸田 琴葉って子と付き合いだしたみたい。噂になってるのよ”

戸田 琴葉…?


いったいどんな子なのかしら……

私は龍太の高校に行ってみることにした。

もちろん、龍太には内緒で…


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