金曜日の彼女【完】
持っていた携帯の時計を確認している。

「あ、そうだ。琴葉、アドレス変わった?」

「え、ううん。あのままだよ」

「よかった。じゃあまた連絡する。クラス会する予定だから」

それだけ言うと繁華街へと消えていった。



中学の頃より背が伸びた気がするし、髪形も違う。

だけど、笑顔はあの頃と同じだった。

しばらく、航平の消えていった方を見ていたら。



「…おい!」

後ろから龍太の不機嫌そうな声が聞こえてきた。

思わず、溜め息を吐きながら振り返ると

「帰るぞ」

苛立った声をあげる。

「…わかった…」

もう…なんなのよ…なにがそんなに気に入らないのよ…。




だけど、龍太は私の傍までやって来ると、信じられない言葉を告げた。



「…俺の家に…来るか?」

「――…えぇ?」

なんで!?

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