金曜日の彼女【完】
「…はぁ…」

付き合い始めてから初めて龍太のいない金曜日を迎えた私。

「琴葉ちゃん…一応俺がいること忘れないでな?」

「や、やだ、ごめんなさい!」

そう言いつつ…つい、気づくと溜め息を吐いている。

いつも龍太に会える緊張と嬉しさで舞い上がっていた金曜日。

それなのに――…隣に龍太がいないだけでこんなにも違うものなのか…。

改めて――…龍太をこんなに好きなんだと思い知らされる。

だけど

「アイツさ…今週ずっと学校来てないよ…知ってた?」

「え…知らない…病気?」

「いや、違うみたいだな。メールで風邪か?って聞いたら違うって…ただしばらく行けないって」

沖本君の言葉に言い知れぬ不安を感じる。

行けないって?どうして?1週間も学校休んで…なにしてるの?

< 78 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop