金曜日の彼女【完】

小さな秘密

“明日、T駅の前で待ってて”

沖本君を待っている間、ずっと頭の中を支配するのは

昨日彼が言った言葉。

“龍太の秘密”って?

なんなの?

気になって昨夜はほとんど眠れなかった。

彼はなにを知っているんだろうか。

今日はどこへ行くんだろうか―――…



「琴葉ちゃーん」

走ってくる沖本君が見えた。

「おはよう、沖本君」

「おはよ!ゴメンね、休みなのに…」

「あ~全然!どうせ暇だし…」

「…ハハ…そっか。――…じゃあ行こうか」

「行くって?」


そう聞こうとしたけれど彼はもう切符を買いに行っていた。


…いったいどこへ行くの?

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