金曜日の彼女【完】
第6章
初恋
涙が次から次へと止めどなく溢れ出る。
「琴葉ちゃん…とりあえず…どこか座って…落ち着こう」
沖本君に促されるまま、近くにあった公園のベンチに座った。
土曜日ということもあってか、家族連れが目立っていた。
「――…はい」
沖本君が缶ジュースと濡れたハンカチを渡してくれた。
「…ありがと…」
それを受け取り、ハンカチを目に当てる。
彼は少し離れたところに立っているようだった。
「……沖本君」
「ん?」
「ごめんね、急に…」
「…少しは落ち着いた?」
「――…うん」
彼が私の隣にそっと腰を下ろす。
「…連れて…こないほうが…よかったかな」
ポツリと呟く。
「そんなことない…。沖本君は私のために教えてくれたんでしょ?」
「…別に…琴葉ちゃんのためってわけじゃ……」
「私は…ホントの龍太を見れて…よかったよ」
「――…じゃあ、なんで泣くの?」
「それは……」
…それはね、どんなに頑張ってもダメなんだって、気がついたからだよ。
「龍太にとって…琴葉ちゃんは特別だって言っただろ?」
「――…そんなことないよ」
そうだよ、そんなはずない…それは、きっと他の誰か…。
「でも、龍太は…琴葉ちゃんに…キス…しようとしてたよね?」
「え?」
「琴葉ちゃん…とりあえず…どこか座って…落ち着こう」
沖本君に促されるまま、近くにあった公園のベンチに座った。
土曜日ということもあってか、家族連れが目立っていた。
「――…はい」
沖本君が缶ジュースと濡れたハンカチを渡してくれた。
「…ありがと…」
それを受け取り、ハンカチを目に当てる。
彼は少し離れたところに立っているようだった。
「……沖本君」
「ん?」
「ごめんね、急に…」
「…少しは落ち着いた?」
「――…うん」
彼が私の隣にそっと腰を下ろす。
「…連れて…こないほうが…よかったかな」
ポツリと呟く。
「そんなことない…。沖本君は私のために教えてくれたんでしょ?」
「…別に…琴葉ちゃんのためってわけじゃ……」
「私は…ホントの龍太を見れて…よかったよ」
「――…じゃあ、なんで泣くの?」
「それは……」
…それはね、どんなに頑張ってもダメなんだって、気がついたからだよ。
「龍太にとって…琴葉ちゃんは特別だって言っただろ?」
「――…そんなことないよ」
そうだよ、そんなはずない…それは、きっと他の誰か…。
「でも、龍太は…琴葉ちゃんに…キス…しようとしてたよね?」
「え?」