【短編】無愛想でも好きって言って!
別に愛の言葉が欲しいわけじゃない。
でも、ねぇ……。
せめて私といるときぐらい笑ってください。
他の男女と話しているときのような"爽やか"な笑顔を私にも見せてください。
――とは、とても言えない。
「あー、葵。これ良いと思う」
「えっ?……あ、あの……それは」
真剣な表情でやってきた爽汰の手には、最近流行りの『ともみちゃん』とか言うニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべた桃色のリボン付きタコキーホルダーがあった。