初恋



本屋に着いてすぐ済むのでと外に待たせて
テーピングの巻き方が書いてある本を探す。







えっと・・・医療・治療らへんにあるよね・・・












あ、あった!





探していた本があって急いでレジに向かう途中、
もう1冊、気になる本を見つけた。






スポーツ選手用の料理本・・・?





ペラペラと捲ってみると、
栄養バランスの事など沢山書かれていた。





食事には5つの栄養素が大事で・・・





4500以上のカロリーをとるのか・・・





あたしはご飯を作るのが大好きでよく料理をする。



今回、夏合宿でもご飯を作るという事なので真剣に読んでしまった。


随分の間立ち読みしていたのでお兄ちゃんが心配して迎えに来た



「沙奈おせーよ!欲しいもんみつからねーの!?」

「ち・・・違うよ!見つかった!!」

「あ、そうなん?何買うん?」

「ひっ、秘密!」



あたしは2冊の本を抱えながらレジに向かう


2冊の本を買えたので少し喜びながら外に出ると

自分は駄目な奴だと痛感した。








あたし、本に夢中で忘れてた・・・!!






「す、す、すいません!本当に申し訳ない!!」

「いーって。欲しいもん見つかったみてぇだし」

「そんなに待ってもいないしね。裕大はかなり待ったって感じだけど」

「すいません・・・」



謝り続けていると悼矢さんがあたしの髪の毛を
クシャクシャにしてきた。



「謝るなよ!こっちは平気だって言ってんだし」



悼矢さんの手はとても温かかった。



そして温かい気持ちになった。











こんなにも安心する手はお兄ちゃんだけだと思っていたけど・・・



悼矢さんの手も大きくて安心できる手だったんだ・・・





「じゃ、帰るか。」

「沙奈!重いだろうからその本持つ!」

「い、いいよ・・・」

「いいから!!」



お兄ちゃんはあたしの手から本を奪って嬉しそうに持っている。




まぁ・・・嫌なわけじゃないし、いいか・・・





この時はまだ自分の気持ちには全然気づいていなかった。

















後に悼矢さんの事を気にしてしまう日が来るだなんて―・・・
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