初恋
side悼矢
夏休み前日の事だった。
夏休み前日なので、学校は午前授業で終わった。
部活は午後からで、練習が始まるのに約2時間以上はあった。
その間に飯を食うやつも居れば、寝てる奴もいる。
俺は涼しい所で、暇を潰したく図書室に行くことに。
図書室の中を見てみると先客がいた。
誰だ・・・??
ドアを開けてみると、そこには沙奈ちゃんが。
ドアが開く音に気付いて俺に声をかけてくる。
「あ、悼矢さん。悼矢さんもここに涼みに来たんですか?」
「ん、まぁ・・・」
「今日は昨日より暑いですからねぇ・・・」
そう言いながら沙奈ちゃんは手元の本をまた読み始める。
俺はそんな沙奈ちゃんの近くの席に座る。
沙奈ちゃんの机の周りには沢山の本。
「タンパク質を多くとっても平気っぽいな・・・
でもビタミン・ミネラルも必要だからなぁ・・・難しい・・・」
「・・・・」
沙奈ちゃんの読んでいる題名を見てみる。
スポーツ選手用の料理本・・・
この子、合宿の飯を気にしてんのか・・・??
「あ」
「!?」
いきなり声を出されたから俺は椅子から落ちそうになった。