初恋
夏祭り
side沙奈
「さぁて・・・今日は何にしようかな・・・」
あたしは今、
家の近くにあるスーパーに買い物に来ていた。
「きゃー!ちょー涼しい!!」
友達の亜衣と一緒に。
あの日から、
亜衣はあたしの事を心配してよく家に来るようになった。
亜衣の彼氏からは、
あたしに亜衣を捕られたー!
って半泣きして言われた。
「亜衣・・・あたし、もう平気だよ?」
「いーや!そうやって沙奈は無意識に自分の気持ち隠すから!」
「隠して何かないよ・・・汗」
アイスコーナーでアイスを選びながら頬を膨らませる亜衣。
あたしはと言うと・・・
未だに考えている。
悼矢さんの事をどう思っているのか。
きっと、答えは出ている。
けど、まだ・・・
まだ自分の中では本当に恋なのか分かっていない。
亜衣に言われてから・・・
恋とは何なのか考えるようになった。
でも、自分が考えていた恋とあまりにも違いすぎて混乱している。
・・・あたしは・・・
「・・・奈!沙奈!」
「うぇっ?」
「何のアイスにしたの!?」
「え・・・え~っと・・・じゃこれにする」
あたしは、パピコを指差して亜衣に取ってもらう。