初恋
「高橋なぁ・・・確かにいいかもな!」
「お前、大介はどうなん?」
「大介?あぁ・・・あいつ足早ぇもんな!
今日見て決めるわ!」
裕大はそう言ってウォーミングアップを終わらせて、
次の事を話すために皆を集める。
「今日は紅白戦やっから、ストレッチしっかりな!」
「メンツはどー決めんの?」
「いや、1年対2年だから!」
周りの皆はざわめきを隠せないでいる。
今年入って、初めて紅白戦を行うし、
1年対2年なんてやったことがなかったからだ。
なるべく強い奴が偏らないようにメンバーを組むんだが、
今回は1年を入れるか入れないかを決めるものなので、
1年対2年となった。
「じゃ、今回裕大とやれるんじゃん!?」
あんまり、裕大と同じチームで練習試合をやった事のない奴
が嬉しそうに言うが、裕大はさらりと言う。
「俺、今日はでねぇし!」
「「あぁ!?」」
「メンバー決めるってさっき言っただろ?
悼矢いるし、何とかなるだろ?
つーーか!2年が1年に負けるなんて恥だからな!
良い所いせろよ!!じゃ、1年ビブス着てな」
渡邊が持ってきたビブスを1年に渡して、
スコアブックを見る裕大。
かなりショックだったのか、
2年のモチベーションが一気に下がる。
まぁ、裕大が出ないとなるとモチベーション下がるのは分かるけど。