初恋
「お前ら・・・ちっとは裕大の分まで動け。
俺たちに出来ない事はないだろ?」
「悼矢・・・」
「俺たちで、裕大の分の動きぐらいできるだろ?」
俺が全員の背中を叩いて気合いを入れる。
准もそれに続いて思いっきり叩き始める。
「もしかしたら、出るかもしんねぇよ!裕大のやつ!!」
「そう、だよな」
「てか、俺を頼りにしてほしいけどね?」
俺が自信気に言うと、皆でニンマリと笑う。
何も言わずに円陣を組んで、肩を組む。
「じゃ、今日は裕大がいないので、俺が言うかな」
「おお!悼矢頼むな!」
俺は、咳払いをして息を精いっぱい吸う。
「俺たちは強い!!!」
「「「おぉ!!!!」」」
ピッチの外で、裕大がその姿を見て
嬉しそうに笑っている事なんて知らずに。