初恋
「沙奈?」
「え、あ、うん?」
「着いたら何食うの!?」
「お前は食う事しか考えてねぇのかよ・・・」
「だぁって!
祭りと言ったら上手い食いもんだろ!?
あ、でも!」
「??」
お兄ちゃんは満面の笑みでこっちを見る。
「沙奈のが1番!」
「!!・・・そんな事、言わなくていいから!!」
「思った事はいっとかねぇと!な、准?」
「・・・そうだなぁ笑」
「准くんまで!!」
3人で騒ぎながら歩いていたら、
屋台が近づいてきた。
あたしが最初に目に入ったのは
リンゴ飴が売っている屋台。
小さい頃から必ずお祭りに来たらリンゴ飴を食べる。
早く食べたいなぁ・・・
あたしは早く食べたくてウズウズする。
「なぁに、何か食いたいものでもあったん?」
准くんがあたしを見ながら質問する。
「うん!リンゴ飴!!リンゴ飴食べるの!」
あたしがそう言った時、一瞬准くんの顔が赤くなった気がした。