初恋
代理マネージャー。
side沙奈
夏休みも終わりに近づいてきた。
風はだんだん秋の風へと移り変わって、
涼しくなってきている。
そんな中、あたしは自分の気持ちに気付いた。
『悼矢さんが好き』って事―・・・
好きになったら・・・
人を好きになったら、
その人をいつも目で追って
目を瞑ってもその人の顔が浮かんできてと、
とにかく幸せだって思えるものだとずっと思ってた。
だけど―
もうその人には他の女の子がいるのにもかかわらず
好きになってしまった時の気持ちは、
どうしようもないくらい、
悲しさでいっぱいになる。
好きなのに、叶わない恋。
「沙奈、沙奈~~!!」
部屋のベランダに居たら、
家の外からお兄ちゃんの声がした。
「どーしたのー?」
「大変なんだよ!今すぐ俺と一緒に部活来て!」
「・・・え!?」
あたしは、突然の事に吃驚して思わず大きい声を出してしまう。