初恋
何であたしが・・・!?
ていうか、渡邊先輩いるよ、ね・・・?
「渡邊先輩が・・・」
「渡邊が、急用で来られなくなったらから
お前に頼んでんの!
早くしねぇと部活遅れる!」
「わーわ!ちょっと待って、ほんのちょっと待って!!」
部活に遅れると聞いて、
嫌だとも言えずにあたしは支度をし始めた。
本当はまだ悼矢さんに会う心の準備が出来てないのに・・・
悼矢さんの為に部活に行くわけじゃない事は分かってる。
それに、あたしの気持ちを悼矢さんに伝える事も絶対ない。
だけど・・・
好きと分かってしまった人に会うとなると、
嬉しい気持ちが抑えきれない。
あたしは胸を押さえて、
気合いを入れお兄ちゃんの所へと向かった。